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sugar-holic

第5章 気に入ったよ

私の家の前でタクシーを停めてもらう。

「今日はお疲れ様でした」

「はい。お疲れ様でした」

そう答えて、タクシーから降りた。

うわ。足元ふらつく!

「大丈夫ですか?」

倉田くんが聞いてきたけど

「うん。平気。大丈夫」

何とか踏み留まって、しゃんと見えるように立ち直す。

「じゃ、おやすみなさい」

「はい、気を付けて下さいよ!?」

ドアが閉じて、タクシーが走り出した。

タクシーを見送りながら、近くにあった電柱に凭れ掛かる。

あ…この体勢、楽…。

目を閉じて、深呼吸する。

おかしいなぁ。そんなに量は飲んでないと思うのに。

やっぱり接待の一環だから、思わぬところで気を張ってたのかも。

「何してんだよ!?」

鋭い声に目を開けると、倉田くんが呆れ顔で立っていた。

「え?何で?」

「タクシーの運転手に降ろされた」

「何で?」

「アンタがいつまでも立ったまま動かないから」

唖然とした私の手を引くと

「動けないなら抱っこしますよ?」

いつも通り、上から目線の笑みを浮かべた。

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