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sugar-holic

第6章 慰めてあげます《倉田side》

「ツヨシさんはそういう事言わないんですか?」

その言葉に、薄笑いを浮かべてた顔を硬直させた。

「何で強司の事、知ってるの…?」

「さて、何故でしょう?」

寝ぼけて俺に抱きついた時、自分で暴露したの忘れてるんだ。

あの時は彼氏の名前だと思ったんだけど…

「ここには来てないんですね」

「当たり前でしょ!?」

あ、この反応。

そうだよな。彼氏いたら、この部屋はないわな。

「別れたから?」

「……っ」

「だから、料理もしないの?」

東京にいるときは、弁当作るくらい料理してたのに、こっちでは全くしない。

思い出したくないくらい、料理と彼氏が結び付いてるから。

…じゃないかなって予想したんだけど…。

「分かったような事、言わないで!!」

それまで背けていた顔をこっちに向けて、俺を睨み返す。

涙に濡れた眼差しに、初めてこの人を正面から見た気がした。

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