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sugar-holic

第6章 慰めてあげます《倉田side》

泣くなよ。

別れた男のためなんかに泣くな。

「あ…ごめん…」

俺を見てはっとした表情をすると、小さく呟いて顔を伏せた。

立ち上がりかけたから、その手を掴み、俺の方に引き寄せる。

「…へ?」

勢いのまま、俺の胸に飛び込んできたところを受け止めた。

「あ…あのっ!!倉田くん!?」

じたばたと離れようと、もがくから…。

逆に、抱え込むように腕に力を込める。

「ねぇ、ちょっと…!」

「俺が慰めてあげますから」

「倉田…くん…?」

「そんな男、忘れろよ」

抱き締めたまま、髪を撫でる。

指が耳を掠めると、ビクッと肩が揺れ、小さく声をあげた。

耳、感じやすいのか。

髪をかきあげて耳が見えるようにすると、指先で外耳を優しく撫でた。

「やっ!!やだ…っ!!」

「気持ちよくない?こうゆうの、好きだろ?」

耳元で囁いて、ちゅっ、とリップ音をたてる。

舌先で耳の軟骨の辺りを辿り、耳たぶを軽く噛む。

「は…んっ!!やぁ…っ」

抵抗する力が弱くなってきた。

ツヨシにも、耳、攻められたんだろうな。

そんな考えに、苛立つ自分がいた。

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