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sugar-holic

第8章 思い出した!!

「そうかも」

倉田くんはくっと喉の奥で笑った。

「そっちはデートもしないで女子会ですか」

「申し訳ないけど、デートする相手がいないもので」

腕を組み、壁に凭れて倉田くんを見上げると

「ツヨシの事、まだ忘れられない?」

…え!?

突然の事に、動揺を隠せなかった。

何で強司のこと知ってるの!?

…あれ?

この感じ、前もどこかで同じような…

「俺の事は忘れたのにな」

倉田くんが、低い声で呟いた。

「え!?…きゃ…っ!!」

倉田くんと壁に挟まれるように追い込まれると、私の顔を覗き込むように屈まれた。

「まだ思い出さない?」

そう言われて、給湯室での事を思い出した。

『思い出せないなら、思い出させてあげますよ?』

あの時、電話が入らなかったら…

何をするつもりだったの?

「思い出せよ」

更に屈んで近付いてきたから、咄嗟に組んでいた手を前に出して止めた。

「この手、何?」

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