NAHEMA
第2章 本章
彼女が言った「そのうち」はなかなかやってこなかった。
夏が終わりを告げ、
近くに感じていた空が高く遠くに感じる季節になっても、
木々の葉が落ち、冷たい風に身を縮める季節になっても。
「そのうち」は実現しないまま。
それどころか、彼女と会える日が少なくなっていった。
それまでだって、気まぐれな彼女の誘いはいつも突然だったし、
週に何度も会えるときもあれば、2週間以上も会えないときもあって。
やっぱり俺は遊ばれてるだけか…
会えない日々が続くたび自信を失くし、
それでも彼女に会えば、彼女とのセックスに溺れ、それまでの不安なんて全部忘れた。
そんなある夜。
彼女が俺を強く引き寄せ、二人で果てた後。
彼女に覆いかぶさったまま、荒い息を繰り返す俺の耳元。
「翔くん。
明日、デートしよっか。」
掠れた彼女の声を聞いた。
「えっ?」
思わず体を起こして彼女の顔をみた俺。
「嫌なら、別にいいけど。」
美しいプラム色がのせられた目蓋。
上向きの長い睫。
俺とのキスで少しだけ乱れたローズの唇。
セックス直後の紅潮した頬。
あの時の彼女の顔は、こんなにも鮮明に覚えているのに。
彼女がこのときどんな表情をしていのか、
どんな思いで俺を見つめていたのか。
若かった俺は、彼女の誘いに心躍らせるだけで。
それが「さよなら」の合図だったなんて、
気付きもしなかった。
夏が終わりを告げ、
近くに感じていた空が高く遠くに感じる季節になっても、
木々の葉が落ち、冷たい風に身を縮める季節になっても。
「そのうち」は実現しないまま。
それどころか、彼女と会える日が少なくなっていった。
それまでだって、気まぐれな彼女の誘いはいつも突然だったし、
週に何度も会えるときもあれば、2週間以上も会えないときもあって。
やっぱり俺は遊ばれてるだけか…
会えない日々が続くたび自信を失くし、
それでも彼女に会えば、彼女とのセックスに溺れ、それまでの不安なんて全部忘れた。
そんなある夜。
彼女が俺を強く引き寄せ、二人で果てた後。
彼女に覆いかぶさったまま、荒い息を繰り返す俺の耳元。
「翔くん。
明日、デートしよっか。」
掠れた彼女の声を聞いた。
「えっ?」
思わず体を起こして彼女の顔をみた俺。
「嫌なら、別にいいけど。」
美しいプラム色がのせられた目蓋。
上向きの長い睫。
俺とのキスで少しだけ乱れたローズの唇。
セックス直後の紅潮した頬。
あの時の彼女の顔は、こんなにも鮮明に覚えているのに。
彼女がこのときどんな表情をしていのか、
どんな思いで俺を見つめていたのか。
若かった俺は、彼女の誘いに心躍らせるだけで。
それが「さよなら」の合図だったなんて、
気付きもしなかった。
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