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蝶の様に麗しく

第2章 1話

「土方さんも、僕も…悪い?」

「ああ。土方さんは土方さんで投げ出しちまうし……お前も飛び出しちまったからな。どちらも悪いだろうな」

悪い……。

やっぱり僕、土方さんに言わなかったのが行けなかったのかな?

「ま、お前が土方さんに拒否されて嫌なら俺がお前を抱きしめてやるよ」

「え……ぁ、ふぁ…」

濃厚な、甘い……蕩ける口付け。
僕は左之さんにしがみついた。

なぜか溢れる僕の涙に、左之さんの舌が這う。

「んん、ふぁ……」

「どぅした?なんで、泣いてんだよ」

舌を離して、左之さんは僕の頭を優しく撫でる。

「俺の側に気が済むまでいりゃあいいさ。な、総司」

「……」

黙った僕はこくりと頷く。

これが、恋の歯車を回すことも知らないで。

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