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硝子のルージュ

第1章 #1 甘い生活

何て言おうか迷っていたところに千種が隣に来た。


(よりによってなんで……)


視線を逸らしていると、別の駅員が話を切り出した。


「柏森さん、ちょっと」


「何だよ。何もしてないよ」


不満そうな顔をしながら近づく。


「近頃、変な女が柏森さんに会わせろとうるさいんですが」


「変な女?」


「何か心当たりでもあるんですか」


少し考えてからいや、ない。と答えた。


だけど、視線が定まってない。

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