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歌に載せて

第11章 とまどいながら 2002.02.13



俺が、教室へ戻ると雅紀はもう
俺が取っておいた席に座っていた


俺も座ろうと近づくと
机の上にはさっきもらっていた
箱が無造作に置かれていた




14年前の俺はここでその箱には触れなかった

そして、数週間後にさっきの女の子と下校している姿を見かけたんだ



俺だって、もう結末はわかっているんだ



ここで、触れないほうがおかしいだろ


早速俺は席に着いた瞬間聞いてみた

翔「どうしたの? それ」


雅「ん?

あぁ、さっき後輩の女の子にもらっちゃったんだよね」



翔「本命?」


雅「たぶん…渡す時に告白されたし」



ですよね…

でも、ここまできて引き下がるのもおかしいでしょ



翔「返事はどうしたの?」


雅「んー、まだ返事はしてないけど」


翔「なんで、他に好きなことがいるわけ?」



雅「……もう、いいじゃん


どうしたの?今日翔ちゃんなんか
おかしいよ」



確かに、おかしいよ


こんな鮮明にピンポイントで
夢を見ているんだから

だったらさ、おかしいついでに
いってもいいのかな…



夢の中ぐらい後悔する必要ないじゃん


そんために、こんな夢見てんじゃねえかと思うよ

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