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歌に載せて

第7章 Cry for you


俺の家は、証券会社に勤める父のおかげで他の家よりは少し裕福だった





でも、その父がある日会社で不正を行っていて多額な借金を背負う事になった



それで、一家心中を図ったが



幸運なのかもわからないが
俺は生き残ってしてしまった


ただ一人残された俺は生きていくために



ゆういつ残った借金の肩代わりをする代わりに潤くんのお姉さんと結婚する契約を潤くんの両親と交わしたのだった



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あの話から5日後


前は2日に一度は会話をしたり、
家の中ですれ違えば必ず挨拶は交わしていたのに


なんだか俺が必要に意識しちゃってて


あっちも俺を無視し続けている感じで




それが、悲しいなんて思うのは変なのかな…



姉「智さん?居たんなら返事してよ」



智「あっ、すみません。

ボーッとしてて…」


姉「そうそう。
コレ婚姻届なんだけど

あと、智さんのところだから明後日までに書いといてくださいね。」



智「はい、わかりました」


姉「じゃあ、失礼しますね」



俺は、ペンを取り"夫になる人の欄"に自分の名前を書こうとした



すると、なんでだろう

手が震えて文字が書けない



それは、無意識に俺の体が拒否してるみたいで



そんな中俺の頭の中に浮かぶのは


この数週間この家で過ごしてきた




特に、潤くんと過ごす時のことだった




そんなことを思い浮かべるのなら


戸籍上兄弟になることの出来るこの紙に書けばいいのに



俺の手は本能的に


書くことを嫌がっていた




そして、気がつくと俺はそんな君の部屋の前に立っていた




でも、中に入る決心がつかずただ戸惑うことしか俺にはできなかった

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