テキストサイズ

歌に載せて

第9章 a Day in Our life 2002.02.06

智side


俺達は養護施設で育った


二人とも親に捨てられて
小さい頃からの幼なじみだった



そして月日は経って
自然に俺達はお互いを
意識し合って好きになっていて
付き合った


そして、ある時お前が出来たことが
分かったんだ


その時俺らはお前と同じ年頃だった


今思えば、本当に無責任なことだったと思う


でもな、俺らはそのとき単純に
嬉しかったんだ


家族というものがなかった俺らが
家族になることが
血のつながった家族が出来ることが




あと一週間ほどで予定日という日
彼女は検診のために病院へ向かっていた


すると突然上から大木が落ちてきた


必死に逃げてなんとか直撃は
免れたものの、逃げた拍子に
お腹を打ってしまった


実は、彼女が歩いていた道の横には
山があって前の日から降り続いていた
雨で地盤が緩んでしまったことが原因らしい

事故だったんだ


たまたま通りかかった通行人が
彼女の異変にきづいて救急車で病院へ運ばれた


俺も急いでそこへ駆けつけた


でもなその時にはもう遅くてな


医者にこう告げられたんだ

医者「母子ともに危険な状態にあります。
どちらを助けますか?」

ってな


なんて残酷な質問なんだろうな

でも、彼女は苦しみながらこういったんだ


翔子「この子に、
私たち以上に悲しいことはしたくない」って



そうしてお前が生まれたって訳だ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ