テキストサイズ

ガンダムカイザー

第5章 恋人たち

「お前を殺す」
少女に突きつけられたガンダムの銃口から灼熱のビームが放たれる。

ソファーで寝ている男はうなされて、すごい汗をかいている。

ソファーの脇机には仮面と、度数を濃くしたブランデーが置かれている。

「また、あの夢を見ていたのね。スゴい汗」
オペレーター兼操舵手のアイリス・リリアンが温かいタオルを差し出してくれる。

タオルを受け取って汗を拭くピエル艦長は震えていた。

この15年、この悪夢と震えから逃れることはできなかった。

アイリスは震えるピエルの手を握る。が、ピエルはそれを振り払う。

「すまない、アイリス・・・私にはキミの愛を受ける資格はないんだ。」

ピエルは仮面を被り、いつもの冷静沈着な様子に戻ってブリッジへ向かった。

アイリスも涙をぬぐってその後を追った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ