
君は少しも悪くない。たぶん
第4章 いま、の後
少し遠くから、別の足音が聞こえてきた。
「あら、お翔さん。珍しく遅かったんですね?」
ヤバい。ニノが翔くんと鉢合わせてる。
「ニノ…お、おはよう」
翔くんが答えるのと同時に、俺は勢いに任せて楽屋の扉を開けた。
「うわっ、ビックリした!!」
ニノが目の前にいた。
「あーごめん。お帰り。」
「ん、ただいま」
ニノは俺に向かってウインクすると、横をすり抜けて楽屋に入っていった。
「相葉さんも、おはよう」
「ごめん、遅くなった」
「別に、俺たちは良いですけど。スタッフさん達に謝ってくれば?」
ニノは2人に対し、少し棘のある言い方をした。
これが、彼なりの仕事とメンバーとの向き合いかた。
仕事にプライベートを持ち込む、俺や翔くんとは大違いなのだ。
