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君は少しも悪くない。たぶん

第8章 <番外編、松本潤SP> Take off!!!!!


〜松本side〜

ニノがくれた、帽子を持ち上げると…


小さな、エメラルドグリーンの指輪入れ。


「…え!?」


帽子を急いで被り、指輪ケースに手をかけようとすると


「待って。
俺が、つけてあげる」

ニノが先に指輪ケースに手をかけた。


開くと、

シンプルな、シルバーリング


「誕生日、おめでとう。」

俺の指にはめてくれた。


「え、ありがとう…」


「ごめんね、そんなので。
でもね、俺には、“高価じゃないシルバーリング”ってのが大事だったんだ。」

…え?


「高価な物はまだ買えないけど
今俺に出来る精一杯のこと」


ニノが、俺たちの歌の1節を口ずさんだ。


「あの頃から、好きだったんだから」


“シルバーリング”


あ。


あ、
思い当たる節がある。



アメリカに撮影に行ったニノが

毎日電話をかけてきた。


コンサートで、キスもした。



あ。


「ニノ…」


「やっと気づいたんですか?
潤くん、遅いです。」


ニノを見ると、
少し涙ぐんでる。


「ごめん…気づかなくて」

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