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遠い約束

第7章  喫茶室の情景〜遠い約束


店内に聞き覚えのある曲が流れ始めた。

「この曲…いつだったか冬吾さんのお家で聞かせて頂いた…マドンナの宝石ですね」

冴子の家では邦楽が好まれていたため、冬吾の家で初めて耳にした西洋の音楽は子供心に強く印象に残った。

「私の大好きな曲なんですよ」

「私もです。この曲、冴さんは目を大きくして聞き入っていたのをよく覚えていますよ」


幼い日、ふたりで過ごした時間の中で大好きなもの、大事なものが
数多く生まれたことを、改めて冴子はそして冬吾も感じていた。



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