誰かお願いつかまえて
第6章 ペットでもいいから
「午前中に会いに来たから少しからかってたんだけどねぇ…
この間来た時よりも痩せて、というかやつれていたからあなたを呼んでもらったんだけどねぇ…
どうしたのかしら…」
…幸村のこと、心配してくれているんだろうか?
「大して綺麗な顔なわけでもないのに、あんなメイクの仕方で…
全く、化粧品を馬鹿にしてるのかしら」
あれ、化粧品のことか?
「せっかく川端くんや岡崎さんの隣を歩けるっていうのに、あんな残念な顔でいいわけないわ!
本人にもっと身の回りのことに気をつかえって、言っておいてもらえる?」
「はぁ…」
残念な顔って……
心配されてるんだか、けなされてるんだか、よく分からなかったが
無事に咲坂さんとの打ち合わせを終えることができた。