誰かお願いつかまえて
第6章 ペットでもいいから
『ちょっと、川端!離してってば!!』
――結局俺は、何をしてるんだ?
社内に戻ってくると、見慣れた―ここ最近本当に見慣れた、岡崎さんが幸村の頭を撫でているところに遭遇してしまった。
プツン、と俺の中で何かが切れた音がした。
気がつくとアイツの腕を引いて朝来た会議室にいた。
『もう!何!?』
鍵を閉めても俺は幸村の腕を離せずにいた。
逃げていってしまいそうだったから……
『いきなりなんで会議室?!腕、痛いから離してよ!』
身をよじって離れようとする幸村の腕を掴む手に力が入る。
『いっ……!』
「…お前が悪い」
『へ?』