誰かお願いつかまえて
第7章 家庭崩壊……?
――
『痛い!離して!川端ってば!!』
私の腕を引く川端が向かう先にあるのは、会議室。
『ちょっと、川端!離してってば!!』
パタン ガチャ
(鍵まで閉める必要ある!?)
『もう!何!?』
未だに離されない腕が悲鳴をあげている。
『いきなりなんで会議室?!腕、痛いから離してよ!』
なんとか逃れようとすると更に力がこめられた。
『いっ……!』
(痛いよ……)
川端を見上げるとすごく哀しそうな顔をしてる。
どうして…?
「…お前が悪い」
『へ?』
いきなり何のこと??
『私の、せい?』
「…そうだ。お前が無防備だから」
『無防備…?』
どこが?
ねぇ、なんでそんなに怒ってるの?
「岡崎さんに頭撫でられて喜んで、あの人が何考えてるかなんて知らないだろ?!」
(……っ!
嫌……
今、その事は言わないで……)
自分で蓋をしていた部分がこじ開けられていくような感覚。
(岡崎さんが何考えてるかなんて、分からないよ………だって)