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誰かお願いつかまえて

第7章 家庭崩壊……?




「おぉ!由香梨くんじゃないか!テツは元気かい?」

部長の声が聞こえてくる。


「はい、おかげさまで…
あっ、でも太りそうなので部長からも言ってやってください!」


由香梨の嬉しそうな声。


由香梨は10歳年上で海外事業部の柏木哲哉(テツヤ)さんと2年前に結婚して、2人でイタリアで暮らしているのだ。


柏木さんはうちの部長の部下だったらしく、交流もあるらしい。




(…いいなぁ、結婚)

自分が全くダメなだけに由香梨を見るとどうしても羨ましく思ってしまう。


「なんだと?よーし、俺から言っといてやる!!


…ところで、何か用かい?せっかく帰国してきたのに、わざわざ営業部まで来ることだったのかい?」




「はい。
実は向こうは人手不足で…
プロジェクトの都合上、女手がもう少し欲しいんですね。


どこの部署の人材でも構わないと、上からは言われているのでその件で伺いました」




「ほぅ……。

申し訳ないが、俺はそういう方面に詳しくないから、適した人材は知らないぞ?」



「いえ、部長には許可を求めに伺いました」


「許可、というと?」









「私、もとから誰を連れていこうか決めてたんです。









営業部所属の女性社員、幸村波香を借りられませんか?」









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