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誰かお願いつかまえて

第8章 持つべきものは………



「いや、幸村を泣かせたやつは手も出さなかったって言ってただろ?

だから付き合ってたわけじゃないはずだ……しばらく彼氏いなかったのかもな…」


あ、そうか……でも!!



「いやいや、それはないでしょう!アイツのことほっとくやつなんています」


「少なくとも俺はほっとかないな。
でも幸村は一目惚れされるようなタイプじゃないからなー……

それに、俺らが外出の度に男から遠ざけてたんだから入社後は彼氏いないだろ?」



(今までの外出のときは飲み会だろうが仕事だろうが、幸村をとられたくない一心だったからな……

遠ざけてる自覚はなかったけど…)



「そうですね…とすると、最低でも4年は彼氏いないことになりますよね?」


「まぁ、そうなるな……
幸村に触れたことある男が少ない方がいいけどな」




それは確かに!!!





「…幸村の最初の彼氏をこの世から抹消したくなってきました
…重症ですかね?」



「大丈夫、俺もだから。


……お前、急に素直になって気持ち悪いぞ」



「気持ち悪いってなんですか!!」




だってせっかく気づけたんだ。


外に出さないともったいない


本人に伝えるのは時間がかかりそうだけど…













―それから閉店時間まで飲み続けて、俺が帰宅したのは日付を越えて火曜日の2時のことだった……


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