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誰かお願いつかまえて

第8章 持つべきものは………



「俺だって今まで何人もと付き合ってきてますし、キスだけで照れたりしません!」

ジョッキに残っていたビールを飲み干す。


「違うのか?……じゃ、幸村とキスする妄想でもしたか?」

「ブッ!!!」



「おい、汚いからやめろ

……図星かよ」

「…すみません」

俺はテーブルを吹きながらため息をついた。


(なんで俺こんなに反応するんだよ……ほんとガキだよな…)



「じゃ、俺がキスの妄想だけで興奮してる変態川端に幸村とのキスのこと話してやろうか?」


「遠慮しておきます!!…ていうかなんですか、変態って…」


「実際したことがあるわけでもないのに妄想で赤面するヤツを変態と呼ばずになんて呼べって言うんだ?

……アイツの唇はな」

「ちょっと!!やめてください!」


遮っても続ける岡崎さん。


「柔らかくて吸いついてくるようで――」

「ああああー!聞こえない聞こえない!!」

「キスに慣れてない感じが可愛かったぞ」

「ああああー!……って、え?

慣れてないんですか?」


「…お前バッチリ聞こえてんじゃないかよ」


う……

でも聞きたいんだ!………なんで、26年も生きててキスに慣れてないんだ?


「久しぶりだったのか知らんが、静止して耳まで赤くなってたぞ?」


「……前の彼氏ってもしかして…」




あのダイチってやつなんじゃ?







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