誰かお願いつかまえて
第8章 持つべきものは………
ユズの迫力に負けて、私は岡崎さんと出かけた日のことを、キスの部分と実名をふせて話した。
「――なーんだ、決まりじゃん」
話が終わった途端にユズが口を開く。
『決まりって何が?』
「そいつとほんとにつきあってねーの?」
『なんでそういうことになるわけ?
気分転換に連れ出してくれたんでしょ?』
私がそう答えると呆れたような顔でユズが遼に聞く。
「ねぇ、中学からこんなんなわけ?」
「そうだけど……高校でなんとかならなかったのか?」
「私たち女子校にそんなこと求めちゃダメでしょ」
『ねぇ、さっきからその失礼な会話聞こえてるんだけど!』
まったく、私のことなんだと思ってるわけ?