誰かお願いつかまえて
第8章 持つべきものは………
「……とりあえずいいわよ、ほっとけばそのうちくっつくだろうから」
「そうだな」
2人の間だけで完結されてしまった……
『なんなの、もう…人に聞いておいて』
手元のビールを少し飲む。
「……ねぇ、ナミ」
いつになく真剣なユズの声に驚いて顔を上げる。
「恋愛する気、ないの?」
『………やだなぁ、ないわけないじゃん!
いつでも出会い探してますよ?』
心の深いところまでユズが近づいてきたから、つい茶化してしまった。
なんで分かるんだろうね?
私がしばらくそういうことから離れたいこと……
「茶化さないでよ……
出会い探してたら、相手のこともっとよく見るでしょ?」