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誰かお願いつかまえて

第8章 持つべきものは………




ダイチじゃないのか?だったらコイツは誰だ?


「じゃ、スイとかいうやつか?」



俺はこの前電話で幸村を泣かせたやつの名前を言った。


「違うよ。………参ったな、幸村のやつ大地や璻のことまで話してんのかよ…


俺は幸村の中学時代の同級生の杉下 遼だ。

あんたが川端 駿さんか」


「そうですけど…

幸村から聞いたのはダイチっていうやつの話だけで、この前スイってやつからの電話を側で聞いてたんです」


なんか穏やかそうな人だな…


「そこに俺のと英雄って名前を入れといてくれ。幸村と中学時代一緒にいたメンツだから。

あ、あんた幸村の同期ってことはタメだろ?敬語とかいらねーよ?」




さっぱりした性格らしい杉下さんは席をひとつずれてくれて俺を幸村の隣に座るように促した。



思ってたよりいい人そうだ。……幸村に触ってたのは許さないけど。



「…あの、俺に電話した柚原さんって人は?」


「…お前の後ろでうずくまって大笑いしてるやつのことか?」


そう言われて振り返ると、幸村の足元にしゃがみこみながら肩を揺らす女がいた。


「あー、予想外だわ、あんた。面白いからいいけどさ!
私が連絡した柚原 夏海です!」


よっ、と言いながら立ち上がった彼女は目に涙をためていた。

……何が面白くてこんな笑ったんだ、この人。
ていうか、電話と雰囲気違いすぎだろ!








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