誰かお願いつかまえて
第8章 持つべきものは………
『お、おお!…おはようございます…』
気まず過ぎて目を合わせられないでいると強い視線を感じる。
『?――!ちょ、っと!!』
顔をあげようとしたときにはもう強く抱きしめられていた。
く、苦しいです……
「夢みたい…」
何言ってんの、こいつ?
『川端、苦しい…』
胸筋に押しつぶされた声が聞こえたのか、川端は力を緩めて私と顔の位置を合わせた。
『ち、近いってば…///』
あんたが顔だけはいいって認めるから、とりあえず離れてー!!
私の思いをよそに笑顔を見せる川端。
その笑顔、やめてください……
「わざとだから」
っ~~~!!
まさに人を殺せるようなスマイル…
そんな笑顔、今まで見たことないんだけど!!
だいたい、さっきから声が掠れててなんか緊張する!!!