誰かお願いつかまえて
第8章 持つべきものは………
クルン、と私を抱えたまま寝返りをうって、川端が壁際になる。
よし、チャンスだ!!
『か、川端!!さっき、電話かかってきてたから確認しないと!』
今度こそ離れられる!と思って胸板を押しやろうとするんだけど。
「だーめ」
ちょっと!!寝ぼけてんの!?
だーめ、って何!?あんたそういう事言わないやつでしょ!?
急にかわいくなっちゃって……!!
どっちかっていうと、そういうセリフは岡崎さんが使いそうな………って、力入れんな!!
♪~
『ほら!鳴ってるから!』
ナイスタイミングだよ、ユズ!……さっきはダメだったけど。
「…やだ」
もーー!!いい大人が少年のような目をするんじゃない!!
『ねぇ、切れちゃうよ!…相手、ユズなのに!』
ユズ、と聞いて思うところがあったのか、川端は渋々解放してくれた。
パッとベッドから降りてカバンから携帯を取り出す。……あぁ、頭痛い。
『…もしもし、おは』
「あんた今どこにいんの!?!?」
…ユズさん、大声はやめてください……