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誰かお願いつかまえて

第9章 女たちの戦い



『み、南ちゃん!』


ちょうど自席に戻っていく彼女に救出を求めた。


「幸村さん!……またですか。ほらほら、離れてください!!」


頼もしいよ、南ちゃん。

南ちゃんが私のそばにいれば、2人ともむやみに私に近づかないのはもう知ってる。


「おい、南、抱きつく必要はないから」

「そうだ、俺は仕事の話をしてたんだし」


「ダメです!お2人とも幸村さんにちょっかい出しすぎなんです!」


ギュッと抱きついてくる南ちゃんはまるで小さな妹のようで。
…ダメです、とか可愛すぎるんだけど!//


『はぁ、癒されるー!…南ちゃん、ありがと!もう大丈夫』


「い、いえ、私は全然……

ところで席替えするなら私が幸村さんの隣がいいです!」


さりげに主張してる、南ちゃん…


「いや、却下されたし南は事務の方で木村に聞かないと無理だろ?」


「…じゃあ木村さんも一緒に」


瞳をうるませる可愛い可愛い私の後輩の頭を資料の束が襲った。


「いっ!!」


「こら、油売ってないで仕事しろ。

…岡崎もやりすぎだっての。幸村さんに嫌われるぞ?……勝ち誇った顔してるお前もな、川端」


営業事務の木村さんが南ちゃんの頭を叩いて止めに来た。

私に頭を撫でられていると。


「…木村さん、席替えしませんか?」


「しない。したとしてもお前を幸村さんの隣にしたら仕事しないだろうが。却下だ、却下!

ほら戻るぞ」


席替え案を一刀両断した木村さんは南ちゃんを連れてデスクに戻っていった。


あぁ、私の可愛い南ちゃん……


南ちゃんの隣だったらはかどるのにな……





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