誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「幸村!」
…来た、もっと心臓に悪い人。
私の肩をつかんで回転式の椅子ごと私を回して川端から離す。
その正面に尊敬する上司…
「これ、〇〇さんとこに持っていきたいんだけど明後日までに修正いけるか?」
私が手渡された資料を見てる間も肩におかれた手は離れようとしない。
岡崎さんの手、大きくていつもあったかい………じゃなくて!!
ブンブンと首を振る私を不思議そうに見る岡崎さん。
『明後日までですよね?大丈夫ですよ』
そう言ったのに、まだ離してくれない。もう、話終わったよね?
「岡崎さん、ほら席に戻って」
グイッと椅子ごと後ろに引いたのは川端。
やっと、手が離れた……
「ふーん……お前は俺にそういう事言うんだな?よし、みんな!席替えするぞ!」
唐突になんなの!?
「岡崎さん、忙しいので面倒くさいです」
「私情を挟まないでください」
先輩方からの反対を受け、席替え案は廃止。
他のデスクの先輩はこちらを見てニヤニヤしてくる。
もう……なんなのこの状況は!!