
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
書類のイタズラは増える一方だった。
しかも、何をすれば困るのかを分かった上でやっているように見受けられる。
(ほんと悪質……
こんなことで要点おさえてないで、自分の仕事でその能力発揮してよ……)
一通り直しが終わったときだった。
電話をしていた岡崎さんがこちらを向く。
「川端、幸村!新規で明日行くはずだったところが、先方の都合でこの後になった!
すぐ出るぞ!」
「了解です」
『分かりました!着替えてから行くので先に下に降りてて下さい!』
今日は終日社内業務だと思っていたから、スーツではなかった。
しかし、こういう時のために、ロッカーには常に1着スーツを入れて置くようにしている。
私は岡崎さんに返事をして、荷物を持って急いで更衣室に向かった。
