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誰かお願いつかまえて

第9章 女たちの戦い




――幸村 波香side――


『それは……』

どうしよう、岡崎さんに言い当てられた…

何とか話をそらそうかとも思ったけど、隣の川端まで心配そうにこっちを見てる。


本当のことを2人に言ったところで言い訳がましいし、改善するわけでもないだろう。
むしろ悪化する可能性の方が高い。


『そんなこと…されてませんよ』

黙っておこう、と思ったんだけど。

「そうか……やっぱり俺のミスだよな…そうか…」

…わざとらしく岡崎さんが落ち込み始めて。

どうやら、嫌がらせをされていると言わないと岡崎さんのミスってことになるらしい。

(これって…言えってこと?)


「やっぱりそうだよな…俺のせいかー…ぐすっ」


やばい。岡崎さんが下手な泣き真似まで始めた。

助けを求めようと川端の方を見るも、意地悪い笑顔で返される。


「あーあ、岡崎さん泣いちゃった!……泣かしといたままでいいのか、幸村?」


(~っ!2人ともグルなの!?)

まさか、岡崎さんのせいにするわけにもいかないし。
…っていうより、私が岡崎さんを泣かせたというこの構図が耐えられない…


『…そういう人に心当たりがないこともない、ですけど』

「やっぱりな」


…いや、真似だって分かってましたけど!

そこまで態度変えられますとですね!!






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