誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「…まぁ、今日はゆっくり休め。
このまま家まで送ってくから」
え!?まだ定時にもなってないのに!!
『嫌ですよ!会社通るんですし、定時まではやります!!』
「また戻ると更に疲れるんだぞ?今日は直帰しとけよ」
川端にもそう言われた。岡崎さんは会社の前を通らない道に方向転換したようだ。
『……はい。ありがとうございます』
仕事をする気ではあったが、2人の気遣いは嬉しかった。
仕事をしたくない、とユズに泣きついてしまうくらいには、少し疲れているのも確かだったし。
(それにしても……)
なんで2人は気づいたんだろう?私が嫌がらせをされてる、って。
(……きっと聞いても教えてくれないんだろうな)
そう思いながら外を眺めていると、マンションの前に着いた。