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誰かお願いつかまえて

第9章 女たちの戦い




「よし、着いた……じゃ、お疲れさま」

『ありがとうございました!明日からまた頑張るのでよろしくお願いします!!』

車を降りて頭を下げた。

「おう、腹出して寝るなよ?」

『そんなことしないから!!』


まったく、失礼なやつだ。


「なんか温かいもの食べてから休むんだぞ?
冷たいものは気が滅入るからな」


優しく笑いかけてくれるのは、岡崎さん。

『はい!…ありがとうございます』


遠ざかっていく車が見えなくなってから私は部屋に向かった。



(今日は……いろいろあったな)


もちろん、いいことばかりじゃないけど濃い一日だった。


(明日、頑張れば休みだからもう一踏ん張りしなきゃ!)







―――――嫌がらせの主犯も分かって半ば解決した気になっていた波香だったが、
このとき、まさか自分が人を傷つけているなんて思いもしなかったのだ。




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