誰かお願いつかまえて
第2章 仕事人間
「で、何があった?」
「隠しても無駄だからな」
なぜ月曜の朝から岡崎さんと川端と3人でカフェにいるのかといいますと。
話は土日にさかのぼるのです。
―大地にまたもフラれた(?)のが金曜の夜。
その翌日はまたいろんな事考えて1日中ベッドで寝っ転がって泣いたり寝たりしていたのです。
この時点でお察しの通り私の目は腫れすぎて、お前誰?みたいな顔が完成するわけです。
そして日曜日。
いい加減ウジウジしてる自分が嫌で、ストレス発散だ!とか言ってカラオケに行ったのです。
あ、ちゃんとメイクはしたので初めましての方にはちゃんとした人に見えたはず…
結局1日中1人で歌いまくって、挙句歌詞に涙を誘われてまたも大泣き…
帰る時には顔がホラーになってたであろう…
すみませんでした、店員さん。
そしてまたお察しの通り、更に目は腫れ上がり声はガッラガラになるわけです。
そして帰ってきてようやく危機感を覚えたのです。
『明日仕事じゃん!!!外回りあるのに!!!』
そう、外出できない顔と声が完成していたんです…。
すぐに目を冷やしたりのど飴を舐めたりしたところで元に戻るわけもなく。
今日は念入りにメイクしてマスクして出社した。
幸い今は11月で周りにはマスクの人だってたくさんいる。
今日はできるだけ喋らないようにしようと思っていたのだが…
『おはようございます』
と、営業部の人たちに挨拶したが最後、岡崎さんと川端に引きずられるようにして会社のすぐ隣にあるカフェに連れ込まれたのである。