誰かお願いつかまえて
第2章 仕事人間
――南の告白騒動が落ち着いたところで、幸村は仕事を始める。
実は幸村が内勤だと営業部や営業事務の社員の調子が少しおかしくなる。
それは幸村が内勤のときにしか履かないスカートのせいだ。
本人は太いとか言ってるし、それこそ南の折れそうな脚に比べたら確かにそうなのだが。
今まで鍛えていたらしい脚は締まっていて無駄な脂肪がない。
普段パンツスーツに隠されている脚が露出されているとどうしても皆も目を向けてしまうし、
なぜか見てしまった罪悪感にかられるから厄介だ。
(…あの先輩またこっち見てるな)
隣に視線を感じて辿っていくと先輩が幸村の脚に見とれている。
(てかスカートのときに脚を組むな!)
「幸村、脚」
『はーい』
そう言うと組んでいた脚を降ろす。
今まで何度も繰り返されてきたこのやりとりの理由に未だ気づいていないようだ。
(営業のときにスカートを履かないだけマシ…か?)
俺が思うにコイツはスカートの方が似合う、というか本来の姿(?)な気がする。
だからスカートを履くのは別に構わないのだが、周りの人に見られるのが嫌なのだ。
アイツは俺と岡崎さんのチームだし!!!
…それを以前岡崎さんに話したらなぜか大笑いしながら同意された。