誰かお願いつかまえて
第2章 仕事人間
『ねぇ、ちょっと!南ちゃんに何言ったの!?
あんただけスタスタ帰ってきちゃって、南ちゃん固まってんじゃん』
座った俺にズイっと近づいてくる幸村。
(近いんだよ…組んでる脚あたるって…)
とりあえず離れたところに南が帰ってきた。
「あ、ああの!ゆゆゆき、幸村さん!!」
いつもより更に緊張してるな、南。大丈夫か?
『ん?なに?』
ちょっと笑いながら答える幸村。
「あ、あの
わた、私と…」
そこまで言って俯いて深呼吸する南に首をかしげる幸村。
「……私と
お昼一緒に食べに行ってください!!!!」
予想以上の大きな声でフロアにいた社員たちが爆笑する。90度に礼をしてそんなことを言ったらそりゃそうなるだろう。
「おーい、南が幸村に告白してるぞ(笑)」
「返事してやれー」
告白された(?)本人も笑いをこらえるのに必死だ。
『告白じゃないですから!
はー…ほんと南ちゃん可愛すぎ!』
南は不安そうな顔で幸村を見ている。
『いいよ!行こう!
よし、午前中がんばって仕事しよ!』
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
目を輝かせる南を見て、俺はようやく幸村が策にのってくれたことでため息をついていた。
こんなに疲れる必要ってあったのか…?