誰かお願いつかまえて
第3章 恋愛相談??
(南ちゃんなら…いいかな)
『…この前の金曜日に同窓会で好きだった人に会って私の部屋まで来たんだけど』
南ちゃんは目を輝かせてるのに微妙な結末でなんだか申し訳なくなってきた…
『他の人と結婚する宣言されて終わり。
…それだけだよ?』
なんだ、私言えるじゃん。ていうかまとめたら本当にしょうもない話だな…
「…許せません」
『…え?』
「期待させるだけさせておいてそれで終わりですか!!?
幸村さんはそんなことしていい価値の低い人じゃないのに!!!」
あれ…
『…怒ってくれてる?』
「怒ってます!!結婚するって言ってるのに幸村さんに手を出したらもっと怒りますけど!!!
ていうかその報告のためだけに女性の部屋に上がり込むなんてありえません!!!」
『…ほんとだよね。その挙句、恋愛対象として見れないとか言うんだよ?』
「なっ!なんてことを!!
幸村さんみたいに素敵な人を恋愛対象として見れないなんて、その人かなり残念ですね!!」
私は大地のことを悪く言えなかったけど、南ちゃんがここまで怒ってくれると
なんだかスッキリした。
『…ありがとう、南ちゃん。南ちゃんのおかげで吹っ切れたかも』
「…無理に笑わないでください。好きな人からそんな事言われたらつらいに決まってるのに
我慢しないで、ください…」
言いながら泣き始めてしまった南ちゃんを見て慌てた。
『もう、どうして南ちゃんが泣くの?私は大丈夫だよ?』
「ゆきむらさぁぁぁん…」
私がよく岡崎さんにしてもらったように南ちゃんの頭をぽんぽんしながら
私も少しだけ泣いた。