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誰かお願いつかまえて

第3章 恋愛相談??




『――というわけです。』

南ちゃんに話したのより詳しく話すと、スッキリしたと思っていたのにまた辛くなってきた。

『あ、髪も実は伸ばしてたんです。
その人が髪長い子が好きだったので…』


2人とも何も言ってくれない。


『ほんと、バカみたいですよね』

グラスを持った私の手を川端がつかんで止める。

「…ちゃんと、泣けたのか?」

『…うん』

真剣な表情で川端に見つめられるとなんだか緊張する。

(そんな心配そうな顔しないでよ…
どうせバカにするんだと思ってたのに)

悪態ばかりついているけど本当は川端がいいやつだって分かってる。心配してくれているのが伝わってきて涙が出そうだ。

(…泣かない!
お酒のせいだ、きっと…)


「幸村が手出しされなくてよかったよ。
好きな相手にもな、自分を安売りしたらダメなんだ。
ちゃんと心が繋がらないと意味がないんだ」

そう言いながら岡崎さんに背中をポンポンされると、私の涙腺はいとも簡単に崩壊した。





もう泣かないと思っていたのに





2人の優しさに触れてしまったから






悔しさや淋しさが全部流れてくるようだった。




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