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誰かお願いつかまえて

第4章 俺はお父さんなんかじゃない



川端も幸村を想っているのは明白だが、あいつは自分の気持ちに気づいていない。


ふと感じた独占欲をチームとしての形に変えてしまったときは笑ってしまった。


ただでさえ狙っている男が多いのに気持ちに気づかせてやるほど俺はお人好しじゃない。

なのに彼女はそんなこととはつゆ知らず周りの男たちに接するのだ。






飲みの約束をしていた金曜日になり
川端が南に調査させた、というから昼休みの間に2人で南から話を聞こうと思ったら。


「…幸村さんのことを聞いてどうするつもりですか?弱みを握るつもりですか?」

キッと睨んでくるから反論したが

「ダメです!教えません!

男の人には分かりません!!

これ以上幸村さんのことを傷つけるわけにはいきませんから!!」


そう言って一方的に話を終了させてしまったのだ。

幸村に特別懐いている南が俺たちを警戒している。
気弱な南が幸村の事とはいえ、あれほどむきになったことはなかった。




男が原因か…と思うとなんとか今日まで持ちこたえていたのにまたイライラしてきた。




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