誰かお願いつかまえて
第4章 俺はお父さんなんかじゃない
いつからかは考えても分からなかったが、彼女を独占したいと思ったときから俺は他の男を近づけないようにしていた。
ときには川端さえも…
でも悪いとは思っていない。
なぜなら、アイツも俺に同じことをするからだ。…おそらく無意識だが。
川端はいいやつだ。顔もいいし仕事もできるし、人に真摯に向き合う。自分のことに関して雑すぎることがなくもないが…
幸村と同期というのが羨ましい。父親扱いよりペット扱いのがまだマシだろ…
川端はあのあと家に帰ったんだろうな…
「………寝るか」
しかしどうする。布団はほかに見当たらないし、かと言って冬場に床で寝たらどうなることか…
俺はそっと幸村の隣に横になった。
(背中合わせだったら暴走しないで済むだろう…)
無理やり理由をつけて俺は布団に入った。