誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
(考えるのやめよ…)
とりあえず洗面所に向かう。
鏡を見てため息が出た。
そこにはメイクが中途半端に落ちたひどい顔。
(でも思ってたより目が腫れてないや…)
洗顔を終えてバスルームに入る。
(昨日は意外と早く寝たのかな)
シャワーを頭から浴びながら考える。
(なんだかおかしな夢も見た気がするし)
なぜか家で岡崎さんに抱きしめられた夢だ。そのあといつものように頭をポンポンされた気もする。
(…なんだこの夢)
自分の妄想力に脱力してしまう。やけにリアルな感覚が残っている気がするからおかしな話だ。
(起きた時1人だったのに、誰かが近くで寝ていた気がするのはなんでだろう…)
バスルームから出て部屋着を着る。
そしてタオルで髪を拭きながらリビングに向かった。
(なにか飲んで目を覚まそう…)
キッチンにある冷蔵庫の前に来たときだった。
「おはよう」