誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
――
誤解しているかもしれないから言っておくが。
俺はやましいことは何もしていない。
俺が目を覚ましたのは7時半頃。
なんだか少し息苦しい気がして目を覚ました。ちゃんとベッドの外側を向いていた。
偉いぞ、俺の理性。
ふと首に違和感を覚えて目線を下げると。
(っ!おいっ!!)
幸村の腕が俺の首の前で組まれている。道理で寝苦しいわけだ。
彼女を起こさないようにそっと手を外そうとすると。
『………ふぅ、…ん…』
さらに腕を下げて胸のあたりで手を組まれてしまった。それと同時に俺の項にぴったりとくっつく唇。
彼女の吐息が直に当たる。
(~っ!!なんだこいつ!可愛すぎるだろ!!!
…つーか胸も当たってるんだって!)
俺がまたなんとか外そうとすると身を寄せてくる。
(あー………もう、いいや)
俺は悪いことなんてしてない、と自分に言い聞かせて、結局もうしばらく横になってた。
幸村の腕と身体が少し離れたときに、ようやく俺はベッドから抜け出した。
幸せすぎて心臓に悪い。