誰かお願いつかまえて
第5章 夢か現実か
「いや、寝させてもらったけど?」
『私、布団もう1組出した記憶がないんですけど…
』
「っ!………あぁ、ソファとお前の机のところにあったブランケット借りた」
『!すみません!!
こんな寒いのにブランケット1枚で…しかもソファ狭いのに……
お風呂すら貸してませんし…』
罪悪感でいっぱいになったところで、疑問が浮かぶ。
『………あの…
いつからいらっしゃってました…?』
確か3人で飲んで、璻からの電話の後すぐ帰って…
岡崎さんが出てくる場面はないんだけど…
「本当に覚えてないのか?」
なぜか残念そうな顔で聞いてくる岡崎さん。
『はい、すみません……
おかしな夢を見たので早めに寝たとは思うんですが………』
「おかしな夢?」
『はい……』
すると岡崎さんの目の色が変わった。
「ねぇ、幸村……
おかしな夢、って…
どんな夢?」
『!』
(こんな岡崎さん見たことない……!)
いつも通り笑っている。だけどいつもの笑みじゃない。
意地悪そうに笑ってすごい色気を出している。
なんだか緊張してきた。