
桜並木を見おろして【ARS・O】
第9章 小春食堂
今日のメニューは、イカと小芋の炊いたん。
小鉢は、菜の花の辛子和えと玉子サラダ。
味噌汁、漬物。
「この炊いたんうまいね。」
大野さんが、イカと小芋の炊いたんを食べながら言った。
「それは『出会いもん』やから。」
「出会いもん?」
大野さんが不思議そうに聞き返した。
「『出会いもん』ってな…。よくぞ、この食材同士が巡りあったなって思うほどの絶妙な取り合わせってことやな。」
「へー、そうなんだ。おばんざいって面白いね。」
「そうやね。」
「例えばさ、俺がイカで小春ちゃんが小芋みたいなもんだってこと?」
大野さんは、満面の笑みを浮かべた。
ちょっと違うような気がしたけど、気にしないことにした。
出会いもん。
大野さんと私が出会いもん。
その例えは、考えるだけで胸があたたかく幸せな気持ちになった。
小鉢は、菜の花の辛子和えと玉子サラダ。
味噌汁、漬物。
「この炊いたんうまいね。」
大野さんが、イカと小芋の炊いたんを食べながら言った。
「それは『出会いもん』やから。」
「出会いもん?」
大野さんが不思議そうに聞き返した。
「『出会いもん』ってな…。よくぞ、この食材同士が巡りあったなって思うほどの絶妙な取り合わせってことやな。」
「へー、そうなんだ。おばんざいって面白いね。」
「そうやね。」
「例えばさ、俺がイカで小春ちゃんが小芋みたいなもんだってこと?」
大野さんは、満面の笑みを浮かべた。
ちょっと違うような気がしたけど、気にしないことにした。
出会いもん。
大野さんと私が出会いもん。
その例えは、考えるだけで胸があたたかく幸せな気持ちになった。
