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桜並木を見おろして【ARS・O】

第13章 これから

「本当にあの大野って男と一緒になるんですか?」

二宮さんが、煮豆をつまみながら言った。

「この先どうするかは、まだわからないけど。一度、きちんと京都の実家に話をしに行こうと思って。」

私は、番茶を湯飲みに注いで出した。

「でも、小春ちゃんって実家と折り合い悪いんでしょ?いきなり男連れて帰って大丈夫なの?」

相葉くんが心配そうに聞く。

「私は、大野さんを追いかけて東京に出てきたんや。大野さんの居場所も何も知らんのに、鉄砲玉みたいに飛び出して。」

「へー、無事再会できて、恋愛も成就してよかったですね。」

二宮さんは、番茶をすすった。

「しかし彼もよく決心したね、小春ちゃんの実家に行くこと。」

相葉くんが、サワラの煮つけを食べながら言った。

「大野さんから私の実家に行こうって言うてくれたんや。」

「小春ちゃんと一緒になる上での、禊ってやつですね。」

二宮さんがニヤリと笑った。

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