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桜並木を見おろして【ARS・O】

第13章 これから

「小春さん、ビールおかわり。グラスもください。」

櫻井さんは、ビールの追加を注文すると、大野さんを手招きして自分の隣に座らせた。

櫻井さんは私からビールを受けとると大野さんにグラスを渡してビールを注いだ。

「乾杯」

櫻井さんは一方的にグラスを合わせると、グイッと一気に飲み干した。

大野さんは、訳がわからずビールをひとくち飲んだ。

「俺、櫻井。あんたは?」

「お、大野…。」

大野さんは、おそるおそる答えた。

「大野智、日本画家ね…。後でみっちり調べとくよ。」

大野さんは困り顔で、私に助けを求めた。

「昼は昼でからまれるし、夜は夜で…。小春、この店どうなってんの?」

「我らの小春さんを呼び捨てにするとは何者だ!」

櫻井さんの目が座り出した。

私は大野さんのすがるような視線に苦笑いを返して、厨房へと消えた。

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