テキストサイズ

桜並木を見おろして【ARS・O】

第3章 懐かしい再会

「智、今日は泊まってくんだろ。」

「おう、そのつもり。よろしくな。」

えっ、私そんなこと聞いてない。

「あ、あの、大野さん。私はどこかホテルに泊まります。」

初めて来たお宅に泊まるなんて、いくらなんでも厚かましすぎる。

そういえば、出発前から大野さんはホテルについて何も私に言わなかった。

「小春姉さん、うちに泊まってってよ。今日は私たち以外、誰もいないし」

「久しぶりに、智と飲み明かしたいしな。」

大野さんの顔を見ると、黙って笑ってうなづいていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ