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桜並木を見おろして【ARS・O】

第5章 銭湯にて・ガールズトーク

「小春姉さん、実家に寄ってから東京に帰るんでしょ?」

アッコさんは、腕を伸ばしてストレッチしながら私に聞いた。

「ううん、実家には寄らずに帰るわ。」

アッコさんは、驚いたように目を丸くした。

「せっかく近くまで来たのに?何で?」

私は、言葉がでなかった。

「えっ…と、私、実家の反対を押し切って東京に出たから、折り合いが悪くて。」

悩んで、話せる部分だけを正直に話した。

「ふーん、そうなんだ。よっぽどに東京に行きたかったんだね。」

アッコさんは、私の言葉を素直に信じてくれた。

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