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桜並木を見おろして【ARS・O】

第5章 銭湯にて・ガールズトーク

「でさ、智とは東京で再会したの?」

「うん、偶然大野さんがうちの店に来てくれて、それで。」

小さい子供が洗い場を走り回っている。

常連客のおばあさんが、危ないよとたしなめる。

「小春姉さんて、まだ智のこと好きだったんだね。」

「えっ?」

私は、思いがけないアッコさんの言葉に驚いた。

「美大の時からわかってたよ。だって、小春姉さん智のこと、すごくかわいい目で見てたもん…。」

「かわいい目…。」

私は赤面した。
まさか、他の人にばれているなんて思わなかったから。

「小春姉さん、今もあの時と同じ目で智のこと見てるもん…。」

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