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桜並木を見おろして【ARS・O】

第6章 銭湯にて・ボーイズトーク

タケシが電気風呂から上がって、俺の入っている浴槽に来た。

「しかし、智が卒業制作展で小春さんに会えなかった時の落胆ぶりはひどかったな。」

俺と小春さんは、美大の卒業制作展の美術館で会う約束をしていたが、タイミング悪く会うことはできなかった。

「あぁ、そうだっけ…。」

「そうだっけ…、じゃないよ。あの時お前アッコと付き合ってたのにさ。アッコがかわいそうだったよ。」

俺は、卒業制作展で小春さんに会えなかったあと、卒業式までずっと落ち込んでいた。

美大や教授宛に何らかの連絡がないか、ずっと待っていた。

でも、とうとう卒業式まで連絡が来ることはなかった。

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