テキストサイズ

桜並木を見おろして【ARS・O】

第1章 個展

画廊のドアが開き、中年の男女が入って来た。

「ちょっと見せてもらうよ。」

男性が声をかけた。

「どうぞ。ごゆっくりご覧ください。」

中年の男女は夫婦らしく、二人で作品を眺めてまわった。

時おり、お互いに感想を言いあっていた。

「君がこれを描いたのかい?」

男性が大野さんに問いかけた。

「そうです。」

大野さんは、男女に作品の説明をした。

男女は、熱心に説明を聞いた。

全部を見終わると、男女は芳名帳に名前を書いた。

芳名帳ののったテーブルに積まれている個展の案内状を一枚取ると、「ありがとう」と言って出ていった。

大野さんも頭を下げて礼を言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ