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桜並木を見おろして【ARS・O】

第7章 桜月夜

私はあきらめて、大野さんからエイセイボーロを受け取った。

「えっと…、『西村のエイセイボーロ、うち大好きどすねん!』」

ちょっとやけくそに微笑んで、京言葉で決めた。

大野さんの顔は、みるみる赤くなった。

私より、大野さんが恥ずかしがった。

うわー、うわーと何やらつぶやいている。

それを見ていたら、おかしくて笑った。

大野さんがかわいいと思った。

二人で顔を見合わせてしばらく笑った。

大野さんは、他にカップうどんを買った。

同じ銘柄のカップうどんも、関西と関東で味が違うのだそうだ。

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